頭痛
頭痛は日本人の約4割が経験する、非常に一般的な症状です。
その原因は多岐にわたり、一部には命に関わる病気が隠れている場合もあります。
「いつもの頭痛」「頭痛くらいで病院なんて」と軽視せず、専門的な診断や適切な治療を受けることが大切です。
受診のタイミング
- 日常生活(学校、仕事、介護、育児、プライベートの予定など)に支障をきたす頭痛
- 初めての頭痛
- 繰り返す頭痛
- 薬が効かない頭痛
- 突然の激しい頭痛
- 頭痛の他にも症状がある(吐き気・嘔吐、言語障害、手足のまひなど)
当院で行う頭痛の検査
- MRI
- 問診
- 神経学的所見の確認(診察中に意識、精神状態、運動機能、感覚機能、歩行機能などを確認する)
- 採血(必要時)
頭痛のタイプ
頭痛には、大きく分けて「一次性頭痛」と「二次性頭痛」の2つのタイプがあります。
- 一次性頭痛:明確な原因疾患がない頭痛で、全体の約90%を占めます。
- 二次性頭痛:何らかの原因疾患が関与している頭痛で、全体の約10%程度とされています。
このうち二次性頭痛は頻度としては少ないものの、時に緊急性が高い場合があります。診断が遅れると命に関わる危険や後遺症につながることがあるため、慎重な対応が必要です。
当院では、頭痛診療において次の2つの点を重要視しています。
- MRI検査を活用し、二次性頭痛を早期に見つけ出すこと、原因疾患があるかどうかを正確に診断することが、適切な治療の第一歩です。
- 適切な対処へ
- 二次性頭痛の場合:原因となる疾患の治療を迅速に行います。
- 一次性頭痛の場合:患者様お一人おひとりの症状や生活スタイルに合わせた、頭痛のコントロール方法を提案します。
一次性頭痛(原因疾患がない頭痛)
片頭痛(片頭痛でおつらい方はこちらへ)
症状
- 頭の片側〜両側にズキズキとした拍動性の痛み。
- 4〜72時間ほど持続する。
- 痛みの程度は中程度〜重度。
- 寝込むほどの辛い頭痛があるため、仕事や学校生活をまともに送ることが難しい。
- 特徴として、身体を動かすことや、頭の位置を変えることで痛みが増強する。
- 随伴症状として、ギザギザしたものが見える(閃輝暗点)、吐き気、嘔吐、光過敏、音過敏、におい過敏を伴うことがある。
原因
- 三叉神経への刺激
- カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)
※諸説あります
傾向
- 女性>男性
- 片側が痛む人が約6割、両側が痛む人が約4割とされている。
悪化要因
- 遺伝的なもの
(例:母親も片頭痛持ち) - ストレス
(受験、仕事、育児、介護、疲れなど) - 特定の食物
(赤ワイン、チーズ、チョコレート、ハム、ソーセージ、ナッツなど) - アルコール
- 空腹
- 脱水
- 睡眠不足、睡眠過多
- 肩首のコリ
- ホルモン変化(月経、出産、更年期など)
- 天候
- 眩しい光
- 強いにおい
- 大きな音 など
これらの要因が複数に絡み合う。
治療
- 急性期治療(痛みが起きてつらい時の対処方法)
- 薬の使用(鎮痛剤、スマトリプタン製剤、吐き気止め)
- 静かな暗い場所で休む
- アイスパックで患部を冷やす
- 血流を増やす行為は控える(お風呂、運動、マッサージなど)
- 予防治療(今後の対処方法)
- セルフケア・・・頭痛ダイアリーの記録と生活習慣の見直しを行う
片頭痛の治療について
片頭痛の治療は、以下の3つのステップに分かれます。
1. 急性期治療(痛みが発生した時の対処)
片頭痛の痛みが現れたとき、まず行う対処法です。
- 鎮痛薬:アセトアミノフェン、ロキソニン、イブプロフェンなど
- トリプタン製剤:スマトリプタン、マクサルト、レルパックス、ゾーミッグ、アマージなど
- 制吐薬:吐き気や嘔吐がある場合に使用します。
2. セルフケア(日常生活での予防と管理)
薬と共に、セルフケアも意識して取り組みましょう。
- 頭痛ダイアリーの記載
頭痛が発生した日時や症状を記録し、原因を特定するのに役立ちます。 - 適切な睡眠時間の確保
寝不足や寝過ぎを避けましょう。適度な睡眠が重要です。 - 適度な運動
適度な運動を取り入れることで、ストレス軽減や片頭痛予防に効果があります。 - 趣味を持つ
リラックスできる時間を持つことで、精神的なストレスを減らします。 - 精神的ストレスの軽減
仕事や育児、勉強、介護疲れなどに対して、何かしらの対処方法を見つけましょう。一方で、ストレス解消後に片頭痛が出ることもあるので注意が必要です。 - 光、騒音、においを避ける
強い光や騒音、強いにおいは片頭痛の引き金になることがあります。キャップ、サングラスや耳栓の使用も有効です。 - 空腹を避ける
規則正しい食事を心がけ、空腹を避けるようにしましょう。 - 特定の食品を避ける
チョコレート、チーズ、アルコール(特に赤ワイン)、ハム、ナッツ、カフェイン飲料は、片頭痛を誘発しやすい食品です。 - 天候や月経周期に注意する
天候の変化や月経周期が片頭痛に影響することがあります。これらのタイミングに合わせたセルフケアが重要です。
3. 予防治療(片頭痛の発生を抑える)
急性期治療+セルフケアだけでは症状が十分に抑えられない場合、下記のような予防治療が必要です。
- 抗てんかん薬(例:バルプロ酸):神経の興奮を抑え、発作を予防します。
- β遮断薬(例:プロプラノロール):心拍数を落ち着かせ、血圧を安定させることで片頭痛を予防します。
- カルシウム拮抗薬(例:ロメリジン):血管の収縮を抑えることで、片頭痛の予防に役立ちます。
- 抗うつ薬(例:アミトリプチリン):気分の安定化や痛みの感じ方を変えることで、片頭痛の予防に用いられます。
上記の予防薬で十分な効果が得られない場合には、次のステップとして片頭痛発作予防注射薬が処方されることがあります。
- 抗CGRP製剤(例:エムガルティ、アジョビ、アイモビーグ):片頭痛の原因とされるCGRPという物質の働きを抑えることで、発作を予防します。
受診を迷うときは?
片頭痛は頭痛があるとき(=発作時)だけではなく、頭痛がないとき(=発作間欠期)も日常生活に影響を及ぼしています。以下のようなお困りごとや支障を抱えているときは医師に相談しましょう。
頭痛があるとき
- 頭痛のせいで日常生活に支障が出る(例:家事、仕事、学校生活、人付き合いなど)
- 頭が痛いとき、横になりたくなる
- 頭痛のせいで疲れてしまって、仕事やいつもの活動ができない
頭痛がないとき
- 頭痛が起こるかもしれないために、人付き合いやレジャー活動を計画することに不安がある
- 頭痛を誘発する因子(食べ物、飲み物、光、におい、音、天気など)を気にしている
- 頭痛が起こることを心配する
片頭痛発作治療薬(抗CGRP製剤)について
片頭痛発作予防薬(抗CGRP)とは
片頭痛発作予防薬(抗CGRP)は、片頭痛の原因の一つであるCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)の働きを抑えることで、発作を防ぐことを目的とした薬です。
症状が出てから使用する薬ではなく、発作を未然に防ぐための治療法として開発されました。
費用について
商品名 | エムガルティ | アジョビ | アイモビーグ |
---|---|---|---|
注射の頻度 | 初回は1回2本 2回目以降は毎月1回1本 | パターン①4週間に1回1本 パターン②12週間に1回3本 | 4週間に1回1本 |
1回あたりの費用 (3割負担の場合) | 初回は約27,000円 2回目以降は約13,500円 | パターン①約12,500円 パターン②約37,500円 | 約12,500円 |
- すべて保険適応の値段です。新薬のため高額となります。
- 医療費助成制度が利用できる場合があります。
適応の方
- 医師に片頭痛と診断された方
- 慢性的な片頭痛に悩まされている方(過去3ヶ月で月4日以上)
- 飲み薬の効果が不十分な方
効果
- 発作回数や日数が減る
- 痛みの持続時間が短くなる
- 痛みによる日常生活への支障を減らす
その結果、「思い通りにいかない時があった」、「頭痛に支配された生活」から開放されます。
また、通院での注射に慣れた方はご自宅などで自己注射も可能です。その分、これまでよりも通院回数が削減されます。
注射までの流れ
- 院長外来で診察を受ける。(予約の有無は問いません)
- 注射が適応の場合は、注射の予約を取る。(原則、初回診察時の注射は行っておりません)
- 後日、注射を受けに来院する。
緊張型頭痛
症状
- 頭の両側に締め付けられるような痛み、頭の重い状態。
- 30分〜7日間持続。 痛みの程度は軽度〜中程度。
- 身体を動かすことや頭の位置の変化で痛みが増強することはない。
- 随伴症状として肩首のコリや眼精疲労を伴う。
原因
神経や筋肉が過度に緊張すること。
傾向
- 頭痛の中で最も頻度が多い。
- 鎮痛剤の飲み過ぎで薬物乱用頭痛に移行し、さらに頭痛が悪化することがあるため飲み過ぎに注意。
- 週1~2日にとどめる必要がある。
悪化要因
- 身体的ストレス(無理な姿勢、長時間のPC操作、首すじの筋肉が弱いなど)
- 精神的ストレス(緊張状態が続く、まじめな性格、環境の変化など)
これらが複雑に関係していると考えられている。
また、鎮痛剤の飲み過ぎの場合もある(=薬物乱用頭痛)。詳細はこちら
治療
- 薬の使用(鎮痛剤、場合によっては予防薬)
- ストレス緩和
- マッサージやストレッチをする、リラックスする
群発頭痛
症状
- 片側の目の奥やこめかみに激しく刺すような痛み。
- 1回あたり15分〜1時間程度、ほぼ毎日、数週間〜数ヶ月の期間、夜間や睡眠中に起こる。
- 痛みの程度は非常に強く、耐え難いほど。 随伴症状は、目の充血、涙、鼻水、鼻づまり、目のむくみ、汗、眼瞼下垂を伴うことがある。
- 頭痛が起きている最中は、落ち着かず興奮状態になる方が多いとされている。
原因
- 脳視床下部の機能異常
※詳細は解明されていない
傾向
- 男性>女性
- 20〜30代に多い
悪化要因
- たばこ
- アルコール
- 不規則な睡眠
- 気圧の変化
治療
- 鎮痛剤の使用(急性期には注射or点鼻、慢性期には予防薬)
- 群発頭痛の知識を得て、規則正しい生活を送ること(禁酒、禁煙は必須)
- 医療用酸素の吸入(当院でのお取り扱いはございません。)
薬物乱用頭痛
症状
- 頭痛が月15日以上、3ヶ月以上にわたり起こる。
- 起床時に起こることが多い。 以前は効いていた鎮痛薬が効かなくなる。
原因
- 鎮痛剤の過剰摂取
※鎮痛剤は月に10日までにしましょう
傾向
- 女性>男性
- 子ども〜大人まで誰にでも起こる。 片頭痛、緊張性頭痛の方に多く、群発頭痛の方は稀。
- 乱用をやめると7割の方は頭痛が改善し、3割の方は再発する。
悪化要因
- 痛みに対する不安(薬を早めに飲んだり、頭痛がないのに薬を飲んでしまうことが、過剰摂取に繋がる)
治療
- 鎮痛剤の服用を止める
- 予防薬の使用(内服、注射)
- 頭痛ダイアリーをつけて頭痛の傾向を把握する
- 痛みに対する不安を取り除く
二次性頭痛(原因疾患がある頭痛)
- 脳梗塞
- 脳出血
- くも膜下出血
- 脳腫瘍
- 脳動脈乖離
- 髄膜炎
- 慢性硬膜下血腫
- 副鼻腔炎
- 帯状疱疹
- 三叉神経痛 など
もの忘れ(認知症)
もの忘れには、大きく分けて「生理的なもの忘れ」と「病的なもの忘れ」があります。
生理的なもの忘れは、加齢や生活の中で誰にでも起こることがありますが、病的なもの忘れの場合は、原因となる疾患が隠れている可能性もあります。
そのため、MRIで原因を見極めることが重要です。
受診のタイミング
- もの忘れの自覚がない
- 日付や曜日、現在いる場所がわからない
- 人から様子がおかしい、いつもと違うと言われる
- 今までできていたことができない(例:道具の使い方がわからない)
- 感情の変化がある(例:怒りっぽくなる、無気力になる)
- 妄想がある(例:物を取られた、いじめられた)
- 物事全体を忘れる(例:朝食を摂ったこと自体を忘れる)
- 物事を素早く理解し、判断できない(例:信号や踏切を渡るタイミングがわからない)
当院で行うもの忘れの検査
- MRI
- 問診
- 神経学的所見の確認(診察中に意識、精神状態、運動機能、感覚機能、歩行機能などを確認する)
- 採血(必要時)
- MMSE(必要時)※認知症スクリーニング検査
疑われる疾患
脳外科
- 認知症
(アルツハイマー型・レビー小体型・脳血管型) - 脳腫瘍
- 慢性硬膜下血腫
- 水頭症
- MCI(軽度認知症)
その他
- うつ病
- 甲状腺機能低下症
- 甲状腺がん
- 睡眠時無呼吸症候群
- 多発性硬化症
- 糖尿病
- ビタミン欠乏症
- 薬剤によるもの
- 加齢によるもの
認知症
認知症の概要
認知症は脳の働きが低下し、もの忘れや判断力の低下などが起こる病気です。
厚生労働省の将来推計によると、65歳以上の高齢者人口がピークに近づく2040年に、認知症の高齢者数は約584万人、軽度認知障害(MCI)は約613万人に増えるとされています。
これは65歳以上の高齢者のうち、およそ3人に1人が認知症かMCIになることを意味しています。
認知症の分類と割合
グラフ1 認知症の分類と割合
参考:厚生労働省老健局「2019年 認知症施策の総合的な推進について」
認知症の種類
認知症は主に4つに大別され、それぞれ症状や特徴があります。
1.アルツハイマー型認知症
主な症状は、記憶障害(直近の記憶である短期記憶が低下、進行すると長期記憶も低下)と見当識障害(時間、場所、人の認識ができない、徘徊もある)。
特徴として、初期段階で適切な治療を行えば進行を遅らせることが可能なため、早期対応が重要となる。女性に多い。
2.脳血管性認知症
脳卒中や脳梗塞などで脳血管に障害が起き、脳の一部が壊死することで発症する。症状は障害を受けた部位によって異なる。
脳血管の障害は糖尿病や高血圧といった生活習慣病が原因となることがあるので、生活習慣病の予防が重要。
3.レビー小体型認知症
主な症状は、パーキンソン症状(小刻み歩行、手足の震え、前傾姿勢など)、幻視(実際にはいないはずの人や動物が見える)、自律神経症状(立ち上がり時のふらつき、便秘、発汗、倦怠感、頻尿など)、睡眠障害、うつ状態がある。
特徴として、初期にはもの忘れの症状が目立たない場合もある。男性に多い。
4.前頭側頭型認知症
主な症状は、常同行動(同じことを繰り返す)、脱抑制(万引きや痴漢などの反社会的行動、順番抜かし、信号無視などの逸脱行動)、意欲低下、集中力低下、性格の変化がみられる。
特徴として、症状から精神疾患と間違われる場合がある。初期はもの忘れ症状が目立たない。
認知症と生理的なもの忘れの違い
認知症 | 生理的なもの忘れ | |
---|---|---|
もの忘れの自覚 | なし | あり |
忘れる部分 | 体験の全体 | 体験の部分 |
失くし物をした時 | 取られたと思う | 自分で探そうとする |
ヒントを与えると | 思い出せない | 思い出せる |
日常生活の支障 | あり | なし |
感情の変化 | あり | なし |
MCI(軽度認知障害)とは
1.MCIとは
MCI(Mild Cognitive Impairment:軽度認知障害)とは、健常者と認知症の間のグレーゾーンの段階のことです。
MCIに対する情報を厚生労働省が発表しています。こちらをご覧ください。
2.MCIの段階ではどうしたらいいか
MCI(軽度認知障害)は、早期に対処することで健康な状態に戻る可能性があります。
しかし、放置すると認知症へ進行するリスクが高まるため、MCIの状態で早期発見・早期対処が重要です。
ただし、多くの場合、周囲の支えがあれば日常生活に大きな支障はないため、「まだ大丈夫かな」と受診が遅れることが少なくありません。
下記のような症状がある場合、早めに医師の診察を受けることをおすすめします。
- 同じ話を何度も繰り返す
- 慣れているはずの家事や作業がスムーズにできない
- 新しいことを覚えられなくなる
- 人付き合いが悪くなる
- 趣味に興味が持てなくなる
- 日常生活は送れるものの、同年代の方と比べて認知レベルが低下している
めまい・ふらつき
めまいは、周囲がぐるぐる回っているように感じる「回転性めまい」や、体がふわふわ浮いているように感じる「浮動性めまい」など、身体のバランスが乱れる症状です。
多くの場合、めまいの原因は耳に関連する異常(内耳の問題など)です。
しかし、一部の場合には脳や神経の異常が原因となることがあり、こうしたケースでは早急な治療が必要な場合があります。
受診のタイミング
- 突然、強いめまいが起きた
- 一時的にめまいが起きたが解消した(一過性虚血発作の可能性あり)
- めまいと同時に吐き気や嘔吐がある
- 耳鳴りや難聴を伴うめまいがある
- 手足にしびれや麻痺を伴うめまいがある
- 言葉がうまく話せない、視力の低下を伴うめまいがある
- めまいがしてまっすぐ歩けない、フラフラする
当院で行うめまいの検査
- MRI
- 神経学的所見の確認(診察中に意識、精神状態、運動機能、感覚機能、歩行機能などを確認する)
- X線(必要時)
- 採血(必要時)
疑われる疾患
脳外科
- 脳出血
- 脳梗塞
- 脳腫瘍
- 一過性脳虚血発作
- 脳底動脈循環不全
- 前庭性片頭痛 など
その他
- 良性発作性頭位めまい症(BPPV)
- 突発性難聴
- メニエール病
- 前庭神経炎
- 高血圧
- 糖尿病
- 頸性めまい症(椎間板ヘルニア、首こりなど)
- ストレスによるもの など
頭部打撲
頭部打撲とは、転倒や交通事故、スポーツ中の衝突など、外部からの衝撃で頭部に直接力が加わることを指します。このような衝撃は、軽度なものから重度なものまで様々ですが、時には重大な合併症を引き起こす場合もあります。
受診のタイミング
- 意識を失った、またはぼんやりしている
- 耳や鼻から血液や体液が出る
- 吐き気、繰り返す嘔吐がある
- 片側の手足にしびれ、まひ、脱力感がある
- 強い頭痛がある
- 抱っこしていた赤ちゃんや子どもを誤って落下させてしまった
- 赤ちゃん、子どもが椅子やソファから転落した
当院で行う頭部打撲の検査
- MRI
- 神経学的所見の確認(診察中に意識、精神状態、運動機能、感覚機能、歩行機能などを確認する)
- X線(必要時)
- 採血(必要時)
- CT(必要な場合は他院をご紹介いたします)
まひ
麻痺(まひ)とは、体の一部または全体が自分の意思で動かせなくなる状態を指します。
完全に動かなくなる場合もあれば、力が入りにくくなる程度の軽いものも含まれます。原因は様々で、脳、脊髄、神経、筋肉など、身体の様々な部分に問題が生じることで発症します。
受診のタイミング
脳疾患の可能性あり
- 突然、麻痺が片側の手足や顔に出た
一過性虚血発作の可能性あり
- 一時的に麻痺が起きたが解消した
その他
- 言葉がうまく話せない、理解できない
- 時間と共に悪化している
- まっすぐ歩けない、フラフラする
しびれ
しびれは一時的なものから慢性的なものまであり、その原因はさまざまです。
しびれの原因は、脳、脊椎、末梢神経、内科的疾患に分けられることが多く、また複数の要因が絡み合っていることもあります。
頭に問題がある場合は、脳出血、脳梗塞、脳腫瘍などの可能性があります。
受診のタイミング
脳疾患の可能性あり
- 突然、片側の顔や手足にしびれがある
一過性虚血発作の可能性あり
- 一時的にしびれが起きたが解消した
その他
- しびれの範囲や程度が広がっている
- しびれが治らない
- しびれて歩きにくい、フラフラする
- 怪我をした後にしびれが起こった
当院で行うしびれの検査
- MRI
- 神経学的所見の確認(診察中に意識、精神状態、運動機能、感覚機能、歩行機能などを確認する)
- X線(必要時)
- 採血(必要時)
- 頸動脈エコー(必要時)
ふるえ・けいれん
痙攣(けいれん)は、筋肉が自分の意思に関係なく急に動いたり固くなったりする状態を指します。
身体が震えるような動きが起きる場合や、筋肉が硬直する場合があります。
多くの場合、痙攣は短時間で収まりますが、全身または一部の筋肉に現れることがあり、その原因は様々です。
疑われる疾患
脳外科
- てんかん
- 脳梗塞
- 脳出血
- 脳腫瘍
- 脳炎や髄膜炎 など
その他
- 高熱
- 電解質異常
- 低血糖
- 薬物やアルコール など
受診のタイミング
- 意識がなかったり、混濁した状態の痙攣があるとき
- 痙攣が治っても意識が戻らないとき
- 発熱を伴うとき
- 初めての痙攣
- 繰り返す痙攣
意識消失・失神・ぼーっとする
ぼーっとしたり、意識を失うといった症状には、軽い疲労やストレスといった一時的な要因から、深刻な疾患が隠れている場合まで、様々な原因が考えられます。
受診のタイミング
- 突然動作が止まる、意識が途切れる
- 反応がなくなる
- 目の焦点があっていない、表情がうつろになる
- 突然力が抜けて倒れる
- 手足や顔がぎゅーっとこわばる
- ガクガクする、身体をゆする
- ぼーっとして手をモゾモゾしたり、口をモグモグする
疑われる疾患
脳外科
- てんかん
※軽いてんかんが子どもや高齢者に起きた場合、周囲の人が気付かないことがあります。これは、本人が発作中の出来事を覚えていない場合があるためです。 - 脳梗塞
- くも膜下出血
- 脳梗塞
- 迷走神経反射
- 起立性低血圧 など
その他
- 心疾患・肺疾患
- 消化器疾患
- 起立性低血圧
- 迷走神経反射
- 熱中症
- 降圧剤
- 低血糖
- アルコール など
受診のタイミング
- 初めて発作が起きたとき
- 発作が繰り返して起こるとき
- 発作が長引くとき