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コラム

23. 仕事納め (2) -働き方-

2015.06.08

この秋から年末にかけて日本中をかつてない労働に関する問題が、一気に噴出しました。
世間では、派遣切りはもちろん、期間労働者や正規雇用者さえもリストラという言葉の元に仕事場を追われる事態になっていると報道で伝えています。

リストラとは、本来 Re-constraction リコンストラクションが語源で再構築する事が主眼のはず。
ところが首切りと同意語で使われているのが現状のようです。
そんな境遇に身をおかれている方々には、心底心が痛みます。

経営者は、労働者へ継続して雇用は困難だと通告する。
労働者側が、そのような通告を受けた時に経営者側を非難して君たちは経営者失格だ、レッドカードを突き付ける、と罵詈雑言を並べ立てたところで経営者サイドはもちろん、関わりない人さえも誤解を恐れずに言えば、労働者へ心から同情はしても同調はしないのではないでしょうか。
もっと別の表現で自己の置かれた立場を表明した方がよかったのではないかと思います。

また非情と受け取れる通告をした圧倒的に優位な立場にある経営者側へもけっして尊敬の念を抱くことはないでしょう。
両者が、仕事とはお互いの“共同作業”だという事を忘れたかのようです。

経営者と労働者は、契約は契約として粛々と進めていかねばならぬ側面があろうかと思います。
そうしなければ何のための契約書だったのか、ということになりますが、それはそれとして事態に応じた心ある配慮というものが経営者には必須の素養なのではないか、とも思います。

私は、かつて雇われサラリー・ドクターでした。
経営者サイドの視点をあまり持ち合せていませんでした。
でも今は、異なるもう一つの視点とバランスの取れた思考が必要になっています。
今の私の立場は、仕事を最大限に推進する船頭者的経営者です。
すなわち Boat working manager ボート ワーキング マネージャー。

今、労働者と経営者の関係は、痛みを如何に分かちながら、どう “恊働作業”するかをリストラクションすることが必要なのではないかと思います。
そんな個と公のバランス感覚を持ち合せていたい。
そして可能な限り自ら率先して働く経営者でありたいとも思う。

私には、微々たる余力しかありませんが働くとはどういうことか、を年末に考えさせられた仕事納めの一日でした。