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コラム

79.有能な8名の非常勤脳神経外科医

2015.07.31

平成27年盛夏・・・

 今年の夏は、梅雨が明けた後に台風の接近で天候不順が続き、その後酷暑の日々となっています。そんな日は、エネルギー代謝が亢進しますので少し歩くだけで滝の様に汗が流れ落ち、外でお仕事をする人や運動する人は、体力の消耗が一段と激しくなります。その様な人たちはもちろん、老人や幼い子供、或いは障害をお持ちの方は、特に注意が必要で健常者は自分への労りと同じ目線で気配りが必要です。

 4月より当院では、有能な8名の非常勤脳神経外科医が、定期の日に診療しています。同じ脳神経外科を専門としていますので疾患に対する基本的な考え方や捉え方は、共通していますが、それぞれの語り口や言葉使いは異なります。表現に多少の温度差はあるにしても全員紳士で有能な先生が、丁寧な診療をしていますので定期的に通院されている患者さんにも非常勤医師の診察を是非受けてほしいと思います。

 院長外来を通院している患者が、非常勤外来を受診することで視点が異なるアドバイスを受けられるメリットがあります。それによって医療とは、画一的で無いことが理解できるはずです。混雑緩和のため一部の外来時間帯が、二診制になっていますので時間の無い方、薬だけを希望される方も上手にご利用頂ければ幸いです。

 さて私たちは、どんな人も病気になった時、あるいは加齢に伴って身体の不具合が増した時でも可能な限り住み慣れた土地で暮らし、自分が自身の事を決められる人生を最期まで続けたいと願います。このような時に医療では、どのような答えが用意されているのでしょうか?

 政府の医療政策では、地域の「中核病院、あるいは大学病院」と「クリニック」の機能分担を明確化し「掛かり付け医」を持つよう勧めています。そして尊厳を保持し自立的生活を支える目的で「地域包括ケアシステム」(地域の包括的な支援とサービスの提供体制)の構築を推進しようとしています。そのシステムを医療の側面から支えるには、それぞれの医師の「個人力」と中核病院あるいは大学病院の「組織力」が、その地域で最適にバランス化されているのが理想です。

 ところが私1人の個人力では、掛かり付け医の役割りを十分果たすには能力不足と実感しています。そこで当院では、地域の中核病院あるいは大学病院から有能な8名の「非常勤医師の個性(パーソナリティー)と個人力」をお借りして「大病院の公益性(ユーティリティー)と組織力」と協働し、地域で人を如何に有機的に補完して診ていくかを目指しています。

 忙しい中を診療に来て頂いている非常勤の先生とそれらの診療を小まめに支えてくれているスタッフには、お一人おひとりに心から感謝しその言葉は尽きません。一人では成就しない事業で多くの人たちとの関わりの中で学んだことは、種々の問題や軋轢があっても一つ一つの課題を伴に悩み相手の立場で丁寧に考えていけば、半学半教の人生の伴走者として克服し進化していけるだろうと。しかしまだまだ勉強や修行、そして時間が足りない・・・。その限られた時間を有効に使いながら社会の動きや人の心を自分の命が全うするまで学んでいきたい。来年には、人間的に1ミリでも成長していたい。

 そんな思いを新たにした平成27年盛暑の夏です。