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コラム

18. 勤労感謝の日・・・気付け幸せを失う前に

2015.06.08

日々の生活が、忙しいと誰でも不平不満が鬱積し勝ちになります。
こんなに頑張っているのにどうして私だけ報われないの・・・と。

当たり前の生活に感謝することは、かつて多くの人たちは普通の事でした。
それがいつの間にか、当たり前の生活が普通になって当たり前の生活に感謝しない日々が普通になってしまったのが、今の時代です。
自分自身の分というものを徐々に見失ってしまった結果だと思います。

自分さえよければいいという自分勝手主義の風潮が蔓延し自分たちも知らず知らずにそのようなウイルスに冒され“風邪”を引いてしまったためなのでしょう。
このようなウイルスはあっという間に体の底まで浸潤してそしてまた他人へも感染させてしまいます。

こんな時、ある映画を思い出しました。
小津安次郎監督の名作『麦秋』で老夫婦が静かに語り合うシーンです。
老夫婦が自分たち家族の平穏な生活を振り返って夫が、“今が一番いい時かもしれないね”と述懐します。
そして妻が、“そうですね”と返事をする。

老境に入った夫婦が、過去を振り返って夫が妻の労をねぎらい、妻が夫に感謝する。

このシーンを通じて、今おかれた境遇を分として得心し感謝することは今、このような時代にあって私たちが老境に至る前に私たちの多忙な日常こそ“風邪”を駆逐する一番必要な抗ウイルス剤だと気付かされます。

では、不平不満がつのった時にはどうしたらいいのか・・・
空気をゆっくり吸って、次に肺にためた空気をさらにゆっくり穏やかに吐く腹式呼吸。
特に呼気をゆっくり吐くことで副交感神経を賦活させるのがお勧めです。
このような単純だけれども日々の訓練が、いざという時に身を助けてくれるはずと信じたい。

自分自身に与えられた“分”をわきまえながら“足る”を知ることで私たちは、当たり前に生活出来て、日々の生活が健康に勤労できることに感謝する。

幸せを失う前にそんな毎日を過したいもの。
『感謝について』改めて思う勤労感謝の一日でした。