コラム|横浜市青葉区の脳神経外科「横浜青葉脳神経外科クリニック」

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コラム一覧

20. がんばれ、受験生

受験勉強に励んでいる人は、これからが一番大切な時期になりますね。
受験日に照準を合せて積み重ねた努力が、思う存分に発揮できますようにそれぞれの受験生にがんばれよと心の中で祈らずにはいられません。

私も今まで数多くの受験を経験してきました。
高校受験を皮切りに、大学受験、そして医師国家試験、最後は専門医試験。
ある時は、失敗し、またある時は合格してそれぞれの試験の時は、それはそれで大変苦しい時期でした。
でも試験が終ってみれば、自分自身が一皮剥けて一回り成長できた事を実感したものでした。

試験に落とされて自分の目の前に立ちはだかっている大きな壁を乗り越えられず辛かった時期その壁は、程度や状況の違いこそあれどんな人にも訪れる試練です。
しかしその辛さや苦しみは自分自身が、将来花を咲かせる前にもっと大切で大きな養分を吸い取るために根を張り地中に深く伸びていくための過程だったと後になって気付かされます。
人は、苦しい分だけ地中に向って根を張ることができたのだと後から思います。

ヤンキースで活躍している松井秀喜選手は彼が小さい時にお父さんが託した言葉『努力できることが、才能である』が座右の銘だと語っています。

マリナーズのイチロー選手は首位打者を獲得しても自分の技術に満足することなくナイターの試合後にバッテング練習を重ねたそうです。

この二人は天賦の才能があったからできた・・・
しかしそれ以上に努力が継続できる人間であったことに大きな意味があるのでしょう。

受験に向って努力を続ける日々は、またとない充実した時間であり自分がどんどん成長していると実感できる貴重な日々でもある。
努力を支えるもの、それは最終的には強い自分の意志に他なりません。
周囲に流されないために将来への夢を描きながら自身を克己し不断の努力を積み重ねてそれぞれの受験生は受験当日に最高の実力が発揮できるように努めてほしい。
そんな昔の受験生時代をフッと思い出した12月でした。

中学受験をする小学生のあなた・・・
大学受験する高校生の君・・・
今は辛くてもこの試練に耐えて自分の努力で希望に満ちた暖かい春を迎えて下さい。
You can do it!(あなたなら出来る=ガンバレー)、candidate(受験生)。

19. 母と娘、親子の絆

通院患者さんの中には、ご高齢の方々が、大勢おられます。
90歳代の患者さんが、何人もおられますが通院される際に施設で療養されている人は、施設の職員に付き添われて自宅で療養されている人は、ご家族と一緒に来院されます。
90歳を過ぎると、さすがにご自身を自分お一人で支えることが困難になってきます。

でも、そんな中、背筋をピンと伸ばして介護者やお付きの人もなくお一人で通院されている女性患者さんがいます。

その患者さんの娘さんも当院へ通院されていて母と娘で外来通院されている親子なのです。
母と娘・・・  ・・・
と言ってもお母さんが90歳代前半で・・・娘さんが60歳代後半で・・・。
「娘さん」とお呼びするには、ちょっと?・・・ですが母娘であることは確かですね。

その「娘さん」は、当院へ通院しながら他の重要な疾患で他院へも通院され、今、命に関わる病気で病魔と戦っておられます。
放射線治療と抗がん剤治療を受けながら。

ある日、お母さんが、外来受診された時におっしゃいました。
『私は、高齢だけどまだ弱音を吐いてはいられません。娘を元気付けるためにも』と。
もともとお元気そうな容姿でしたが、増々背筋を伸ばして毎日を過しておられるそんなシャキッとした日々を生きる姿勢に思わず拍手したい気持ちになりました。

別の日に娘さんが、外来受診された時の会話では私が、『お母さん、すごくお元気ですねえ』と言うとその娘さんは、『そうなんですよ。私以上に元気でねえ。私も負けられません』と。

人が人を支え合う。
人は自分のためだけに生きているのではない。
人の存在そのものが、人の生き甲斐になる。
そんな思いを垣間みた親子の絆でした。

18. 勤労感謝の日・・・気付け幸せを失う前に

日々の生活が、忙しいと誰でも不平不満が鬱積し勝ちになります。
こんなに頑張っているのにどうして私だけ報われないの・・・と。

当たり前の生活に感謝することは、かつて多くの人たちは普通の事でした。
それがいつの間にか、当たり前の生活が普通になって当たり前の生活に感謝しない日々が普通になってしまったのが、今の時代です。
自分自身の分というものを徐々に見失ってしまった結果だと思います。

自分さえよければいいという自分勝手主義の風潮が蔓延し自分たちも知らず知らずにそのようなウイルスに冒され“風邪”を引いてしまったためなのでしょう。
このようなウイルスはあっという間に体の底まで浸潤してそしてまた他人へも感染させてしまいます。

こんな時、ある映画を思い出しました。
小津安次郎監督の名作『麦秋』で老夫婦が静かに語り合うシーンです。
老夫婦が自分たち家族の平穏な生活を振り返って夫が、“今が一番いい時かもしれないね”と述懐します。
そして妻が、“そうですね”と返事をする。

老境に入った夫婦が、過去を振り返って夫が妻の労をねぎらい、妻が夫に感謝する。

このシーンを通じて、今おかれた境遇を分として得心し感謝することは今、このような時代にあって私たちが老境に至る前に私たちの多忙な日常こそ“風邪”を駆逐する一番必要な抗ウイルス剤だと気付かされます。

では、不平不満がつのった時にはどうしたらいいのか・・・
空気をゆっくり吸って、次に肺にためた空気をさらにゆっくり穏やかに吐く腹式呼吸。
特に呼気をゆっくり吐くことで副交感神経を賦活させるのがお勧めです。
このような単純だけれども日々の訓練が、いざという時に身を助けてくれるはずと信じたい。

自分自身に与えられた“分”をわきまえながら“足る”を知ることで私たちは、当たり前に生活出来て、日々の生活が健康に勤労できることに感謝する。

幸せを失う前にそんな毎日を過したいもの。
『感謝について』改めて思う勤労感謝の一日でした。

17. それでも人は生きてゆかねばならぬ・・・

人が生まれ寿命が尽きるまでの一生涯の中で喪失するという体験は、何回あるでしょうか。

受験に失敗して自信を喪失する・・・
地震や災害で家屋を喪失する・・・
不況で株やお金を喪失する・・・

喪失する内容に軽重はあっても喪失体験がない人は、この世に誰一人として存在しないでしょう。
できることならそんな喪失体験などしたくない。
でもそんな喪失体験の中から人は試練を乗り越えて生きていかねばならいばすです。
何故ならば、人は一人で生きているわけではないから。
自分一人のためだけに生きているわけではないから。

街の中で理不尽な殺人事件で家族が殺されようとも世界経済が音を立てて崩れ日本経済も避けられぬ影響で傾きかけようとも自分たちの生活は、いつもと変わらずに毎日の生活に僅かでも潤いを求めてそして少しでも周りの人々にも安らぎを与えられるように変わらぬ日々の生活を悠久として流れる日々の日常を少なくともこの世に生きている自分自身はいずれは自身もこの世から去ってゆく事を知りつつ寿命が尽きるまで生きてゆかねばならない宿命があると思います。

人を励まし、人に「元気」「活気」「活力」「気力」を出してもらうために作ったはずのこのコラムが図らずも自分を励ますためのコラムになろうとはコラム開設当初は、思ってもみなかったことでした。

妻が亡くなったことで多くの皆様からご厚情を頂きました。
知人、友人、同級生、恩師、同僚、医療関係者、そしてスタッフ、さらには患者さんから私が今までにお付き合い頂いた多くの人々から激励のお手紙、励ましのお言葉を幾重にも多数頂戴しました。
お一人お一人のご厚情によってくじけそうな私は「勇気」を頂いています。
人との繋がりを心から有り難いと感謝しつつ改めて深く御礼申し上げます。

16. 平成20年1月5日

平成20年1月5日午後11時・・・
私にとって家族にとって生涯忘れられない慟哭の日でした。
その時が来る事を恐れ、なんとか回避できる事を神や仏に祈り復帰できた時の将来の生活設計を夢みて過した5ヵ月間。

苦痛に耐え運命の悪戯に怯え、神仏にすがる思いで過した日々も虚しく
1月5日(土)午後11時
20年間、私にひたすら尽くしてくれた最愛の妻が亡くなりました。

まだ43歳という若さで17歳の娘を残してこの世を去った妻が発症から亡くなる寸前まで一体如何なる思いで日々を過したのだろうか・・・。
不安と苦痛で過した闘病生活5ヵ月間の妻の心情を思い返すと私は、今日に至ってもいまだ身も心も震え涙が込み上げて言葉が見つからないのです。

抗がん剤を使うことでやせ細った肉体でも病気を克服できると信じ日々を努めて明るく前向きに過した妻の面影と心身ともに健康だった半年前には、人の仕合わせを願いボランテアに励みながら元気に過ごしていた頃の面影のあまりにも大きな落差に愕然とし妻の面影と優しい言葉が私の脳裏に刻まれて忘れることが出来ないのです。

今、私は、妻に何と言って私の気持ちを伝えたらいいのか・・・。

「もっと、一緒に過したかった」
「もっと、話がしたかった」

「もっと、大切にしたかった」
「もっと、幸せにして上げたかった」

「もっと、もっと・・・」
「もっと、もっと・・・」

でも最後には
『20年間、心の底からありがとう』
この言葉以外に妻にかける言葉は見当たりません。

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