人が幸せを感じるのは、どんな時でしょうか？
ものを食べる瞬間・・・入眠する瞬間・・・風呂に入る瞬間・・・。
私は、日々の生活で幸せを感じる時が、いっぱいあります。

もしこれが病人であれば、同じ日常の時々をどんな風に感じるでしょうか？
当たり前の日常が、光り輝いて愛おしく感じ、さらに一つ一つの所作が一層有り難く感じることでしょう。
美味しいものを自分の口で食べられる。身も心も安らかに入眠できる。気持ちいい温度の風呂にゆっくり入れる。健常人であれば当り目と思っていたことが、病気になると、特に手術や大病後は日常の所作への視点が一変するでしょう。
でも健康を取り戻すとそんな気持ちも忘れ勝ちに・・・

人は、歳をとり老境の域に達すると日常生活が少しづつ困難になりますが、日々健康に生きていけることに幸せを感じて感謝の気持ちは一層深くなると多くの方が言われます。

そんな幸せを感じる日々の瞬間を大切にしたいものです。

私は、小学校、中学校、高校・・・そして大学と長い学生時代を終えた後、今もずっと交流を続けている恩師の先生方がいっぱいいます。小学校の先生、中学校の先生、高校の先生、そして大学の先生・・・それぞれの時代の思い出が詰まった大切な恩師の先生方です。

先日、ある恩師が、私のクリニックを訪ねて来て下さいました。老体に鞭打って遠方からお出で戴いたことが申し訳なく、私はあざみ野駅までお迎えに行きました。

再会した時は、感激。クリニックでしばし談笑した後、ご一緒に昼食に出かけましたが若者と同じくらいの旺盛な食欲にビックリ。
歳を重ねてもやはり旺盛な好奇心と食欲は、元気の源と知りました。
そんな老人になれたらいいなあ、と恩師と再会して教えられました。

『ガンバレよ』と言われたり・・・あるいは言ったり・・・することがあると思います。
ガンバレよ、と言われた時にどんな気持ちになるでしょうか。

真に励まされて活力をもらう時もあれば、好きにすればと突き放されてかえって萎える時も経験します。
そこでガンバルことの真の意味とは何か、どうすればいいのか、と単純に考えてみると・・・

工夫を重ねながら努力を持続することではないか、と思います。
ガンバル＝工夫＋努力　これがガンバルことの真の意味だと理解して『ガンバレよ』という言葉を今度は自分が誰かを励ます時に使ってみてはどうでしょうか。

医療機関を受診する際に、その医療機関が目指す方向が何かを知っておく必要があります。
またできる事と出来ない事が事前に何かも分かっていれば受診する際の大きな判断材料になります。

まず「クリニック」と「病院」の違い、その目指す方向とできる事とできない事は何か・・・
これは意外に認識されていませんが、大きな違いがあるのです。簡単に言うとクリニック＝目指す方向は病気を発症させないように『予防』するところで（事前予防係）できる事は外来検査・・・
病院＝目指す方向は病気を発症した後に『治療』するところで（事後処置係）できることは入院治療・・・
なのです。

まずこの違いを知って、目的に合った医療機関が選択できればいいですね。

人が共に生き、仲良くくらしていくための“筋道”・・・それが倫理と言われます。
目には見えなくても社会生活を全うする上で確かに存在するルールです。医療倫理もその一つ。

昨日の午後、診療が終了した後に藤が丘にある開業２１年目を迎えた「エクランナクレ」という洋菓子店に行きました。その店長から聞いたお話・・・。
開業して２１年のご苦労は何ですかと伺うと・・・如何に人に喜んで頂けるものを作る努力を日々持続するか、と。この持続するか、という言葉に感動すると同時に頭が下がりました。なんせ、睡眠時間が２～３時間くらいですとおっしゃるからです。

私は、まだ開院して１ヵ月。医療倫理の筋道を踏みながら人に喜んでもらえる日々の実践。
この持続する力を見習いたいと思った次第。